歴史

「再解釈された桜の下:『SHOGUN 将軍』に見る新たな日本の歴史観」

「再解釈された桜の下:『SHOGUN 将軍』に見る新たな日本の歴史観」

この記事では、2024年2月に配信が始まった『SHOGUN 将軍』を通じて、国際的な視点から描かれる日本の歴史と文化に焦点を当てます。このドラマは、ジェームズ・クラベルの小説を原作とし、米ウォルト・ディズニー傘下の制作会社FXが手掛けた作品です。関ヶ原の合戦前夜を舞台に、日英間の文化交流やキリシタンの影響など、従来の時代劇ではあまり細かく描かれなかった視点から物語が展開されます。

本記事では、真田広之が演じる虎永(徳川家康のモデル)とコスモ・ジャーヴィスが演じるブラックソーン(ウィリアム・アダムスのモデル)の関係性、そしてアンナ・サワイが演じる鞠子(モデルは細川ガラシャ)を中心に、東西の文化が交差する点に注目します。さらに、国際的な製作チームによる日本の再現方法や、40年前の初版からの進化、そしてこの作品が現代における日本の歴史観にどのような影響を与えているかを考察します。

国際的な視点から再び描かれる日本の歴史は、時に時代劇ファンを戸惑わせることもありますが、『SHOGUN 将軍』の豪華で重厚な世界観や、巧みなストーリーテリングによって新たな魅力を発見できるはずです。この記事を通じて、『SHOGUN 将軍』が描く日本の歴史観とその受容について深く掘り下げていきます。

ハリウッド製サムライ・ドラマ「SHOGUN 将軍」が蘇る!

ベテラン映画ジャーナリストも絶賛!

1980年に米NBCで放映されたTVミニ・シリーズ「SHOGUN 将軍」が、ディズニー傘下のFXでリメイクされました。

半世紀前の作品が蘇る理由

原作者は元イギリス人将校で、ベストセラー小説家でもあるジェームズ・クラベル。彼は日本軍の捕虜となり、チャンギ刑務所で日本人と接した経験から、日本文化に興味を持つようになりました。

日本嫌いにならなかったクラベル

クラベルは日本軍の捕虜となったにもかかわらず、日本嫌いにはなりませんでした。むしろ日本文化に興味を持ち、1975年に大ベストセラー小説『SHŌGUN』を発表しました。

日本でもドラマが放映

1980年には、この小説を原作としたTVミニ・シリーズ「SHOGUN 将軍」が米NBCで放映され、日本でも大きな話題になりました。

リメイク版の見どころ

今回のリメイク版では、最新の映像技術と豪華キャストによって、原作の世界観がよりリアルに再現されています。

半世紀ぶりの復活! 歴史時代劇の金字塔「SHOGUN 将軍」

日本でも大ヒット!

1980年に刊行されたジェームズ・クラベル著の小説『将軍』は、日本でもベストセラーとなりました。

なぜ日本でも人気なのか?

1979年に刊行されたエズラ・ヴォーゲル著『ジャパン・アズ・ナンバーワン』がベストセラーとなり、日本への関心が高まっていた時期に、アメリカ人による“日本人論”的な小説として注目されました。

読みやすい! 止まらない!

ベテラン映画脚本家による小説は、会話で進行し、読みやすいのが特徴です。全3巻1500ページ超のボリュームですが、読み出すと止まらない面白さです。

フィクションだけど史実に基づく

内容はフィクションですが、関ヶ原合戦の前夜をモデルとしており、史実と合わせればおかしいところも多々あります。しかし、宗教上の対立や、後の江戸時代成立の背景など、興味深い要素が盛り込まれています。

海外で大ヒット!

1980年に米NBCでTVミニ・シリーズ化され、全米で最高視聴率36.9%の大ヒットとなりました。これを機に、アメリカで「寿司ブーム」が起き、日本人が「佐藤サン」「鈴木サマ」と呼ばれるようになったほどです。

日本でも大ヒット!

日本では、1980年に映画版が劇場公開され、翌1981年にはテレビ朝日系列で完全放映されました。第1回の視聴率は31.3%と、こちらも大ヒットとなりました。

豪華キャスト!

物語の主要登場人物は、史実の人物をもとに、豪華キャストで演じられます。

吉井虎長【徳川家康】→真田広之

戸田鞠子【細川ガラシャ】→アンナ・サワイ

ジョン・ブラックソーン(按針)→コズモ・ジャーヴィス

樫木藪重【本多正信】→浅野忠信

石堂和成【石田三成】→平岳大

戸田広松【細川藤孝】→西岡徳馬

宇佐美藤【按針の妻】→穂志もえか

落葉の方【秀吉の側室・淀殿】→二階堂ふみ

1980年版ドラマの影響

1980年版ドラマは、エミー賞作品賞を含む多くの賞を受賞し、鞠子役の島田陽子はゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得しました。

女性たちの姿

当時のウーマン・リブ運動とは対照的に、常に一歩下がって男を支える女性たちの姿は、欧米人が理想とする“ニッポン女性”として話題となりました。

半世紀ぶりの復活

原作初出から約半世紀、2024年に再びドラマ化されました。

真田広之のこだわりが光る2024年版「SHOGUN 将軍」

真田広之、総合プロデューサーとして活躍

2024年版「SHOGUN 将軍」の成功には、主演を務めた真田広之が総合プロデューサーも兼任したことによるところが大きい。

真田広之の八面六臂の活躍

1980年版とは異なり、全編カナダで撮影された2024年版。真田は、日本人の役は日本人が演じ、時代劇専門のスタッフを日本から呼ぶことを条件に出演を承諾した。

日本文化へのこだわり

カツラ、衣装、セットデザイン、所作、殺陣、小道具など、日本文化に関わるスタッフは全て日本から招いた。真田自身も脚本を全編チェックし、日米間で何度もやり取りを重ねることで、日本のTVや映画では観たことのない映像を作り上げた。

真田広之のこだわりが、2024年版「SHOGUN 将軍」を成功に導いたと言えるでしょう。

具体的なこだわり

  • ロケとセットを全てカナダで行う
  • 日本人の役は日本人が演じる
  • 時代劇専門のスタッフを日本から呼ぶ
  • カツラ、衣装、セットデザイン、所作、殺陣、小道具など、日本文化に関わるスタッフは全て日本から招く
  • 真田自身が脚本を全編チェックし、日米間で何度もやり取りを重ねる

真田広之のこだわりによって実現した、日本文化への深い敬意と、圧倒的な映像美。それが2024年版「SHOGUN 将軍」の魅力です。

原作者の言いたかった意図とは?

2024年版「SHOGUN 将軍」の成功要因

映画ジャーナリスト氏は、原作小説の大筋を生かしながら、全編をダイナミックな政治ドラマに格上げさせた点が、2024年版が成功した要因であると指摘します。

1980年版との違い

1980年版は、主人公ブラックソーンと鞠子のラブロマンスが主軸でしたが、2024年版では、日本を襲う宗教上の陰謀や、国内の争いに苦悩する虎永(家康)の姿が強調されています。

21世紀にふさわしい作品

2024年版は、21世紀のいま、世界各地で起きている宗教・民族・国家間の紛争や、女性差別を代弁しているように観ることもできます。

原作者のもう一つの顔

原作者のジェームズ・クラベルは、日本では超ロングセラー小説『23分間の奇跡』の著者としても知られています。

2つの作品の共通点

『SHOGUN 将軍』と『23分間の奇跡』は、異なるジャンル作品でありながら、人間の生死や、異なる文化間の理解、そして平和への希求といった共通テーマを扱っています。

真のメッセージ

真田広之はインタビューで、「原作の真のメッセージは、異なる文化を持つ人々が互いを理解し、共に生きていくこと」だと語っています。

2024年版「SHOGUN 将軍」は、単なる時代劇ではなく、現代社会に生きる私たちに重要なメッセージを投げかけている作品と言えるでしょう。

具体的な違い

  • 1980年版:ブラックソーンと鞠子のラブロマンスが主軸
  • 2024年版:日本を襲う宗教上の陰謀、国内の争い、虎永(家康)の苦悩に焦点

2つの作品の共通テーマ

  • 人間の生死
  • 異なる文化間の理解
  • 平和への希求

真田広之の言葉

「原作の真のメッセージは、異なる文化を持つ人々が互いを理解し、共に生きていくこと」

2024年版「SHOGUN 将軍」の意義

単なる時代劇ではなく、現代社会に生きる私たちに重要なメッセージを投げかける作品

 

全10話の「SHOGUN 将軍」は2月27日よりディズニープラスで独占配信。初回は2話配信、その後は毎週1話ずつ新エピソードが更新される。

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